鼻の手術の危険性

鼻の手術での危険性は、大きく2つに分けられます。

1.鼻の中の損傷

鼻の中の損傷としましては、鼻涙管といい、目と鼻をつなぐ涙の通り道が傷つく可能性があります。ただ、通常、このようなことが起こることは滅多にありません。私は自分自身でも他の医師でもみたことがありません。

ほかに、鼻中隔手術の場合、鼻中隔に穴が残ることがあります。粘膜と骨や軟骨をはがすとき、粘膜が痛み、穴として残ることがあるのです。ただ、これがおこってもほとんど支障はありません。

2.鼻の周辺臓器の損傷

鼻の周辺臓器の損傷としては、重大なものがあり、副鼻腔の手術で、目を傷つけたり、脳を覆っている硬膜という膜が破れることがごくまれにあるといわれています。当院で、視力障害や脳損傷を起こした方はひとりもいらっしゃいません。

鼻の手術は、かつては局所麻酔で行われていたため、それを経験した方は、「痛い」とか、「怖い」という体験談をなさいますので、一般的には「恐ろしい」というイメージを持っておられる方が多いようですが、今は昔と違い、当院では全患者様に全身麻酔下に受けていただいており、楽に感じていただいています。ほかの手術に比べて、安全性は高い方の手術です。

ご参考までに、当院の鼻・副鼻腔手術の手術承諾書の文書を以下に挙げておきます。

  • (1)出血(術中,術後)、発熱、疼痛
  • (2)術後一時的、もしくは永続的におこる可能性のある事項
    • 眼窩内合併症(眼瞼腫脹,複視,視力障害など)
    • 頭蓋内合併症(髄液漏,髄膜炎など)
    • 鼻涙管損傷(流涙など)
    • 鼻中隔穿孔,鞍鼻(鼻中隔矯正術の場合)
    • 顔面(頬部)腫脹(上顎洞根治術の場合)
  • (3)術後、不定期経過後におこる可能性のある事項
    • 鼻茸の遺残,再発
    • 炎症の再燃(鼻漏、副鼻腔炎再発など)
    • 嚢胞形成
  • (4)術中出血等の状態や程度による術式の変更について
    • 出血等の状態によっては当初予定手術を縮小変更する場合があります。
    • その場合,比較的早い時期の追加手術が必要となる場合があります。